2004年08月10日
8月9日は長崎に原爆が落とされた日です。
僕の父が1歳か2歳の時に、投下地点から数キロ離れた場所で被爆しています。
僕は被爆二世です。
僕が生まれ育った長崎では、原爆というものは今もなお色濃く人々の生活の一部に根付いています。広島もそうだと思います。
長崎市内に原爆資料館というところがありまして、そこで当時の長崎の状況を垣間見ることができます。
とても文面では伝えきれませんが、眼を背けずにはいられないくらい凄惨な写真や、どんな言葉よりもはるかに説得力をもった遺品が数多く展示されています。
もし旅行か何かで長崎に行くことがあったら行ってみてください。市内中心部からすぐです。
僕は長崎で生まれ育ったから、原爆というものをずっと身近なことのように感じて生きてきました。
でも、僕らはメディアを通しての戦争しか知らない。
記録としての文面や、
跡地としての石碑や、
放送できる範囲内で編集した中東情勢のVTRや、
CGでできた映像の中から、戦争というもののリアリティを汲み取るしかない。
逆もそうです。
日本がアジアに対して行なってきた過去について、詳しく知るきっかけがあまりないように思えます。
これから先、数十年後、この国には戦争を体験した人々が一人もいなくなります。これはとても危惧すべきことだと思います。
今の世情から考えて、この先、憲法改正や自衛隊のあり方が変わってくることは大いに考えられることです。
知らない世代だからこそ、
「日本に起きたこと」と、「日本が起こしたこと」の両方を同じ目線で見ることが大事なことだと思います。
僕を含め、この国の過去を知らない世代が国際社会の中の日本をしょって立つ日がすぐそこまで来ています。
小さなことですが、終戦のこの時期に年に一回だけでもこういったことを僕らが意識すること、それが僕らとその次の世代の、未来への第一歩だと思うんです。