2006年02月07日
●鉄都の子守唄
平成十八年二月六日月曜日。
立春を過ぎたというのに列島を寒波が襲い、ここ九州にも昼前からぼたぼたと大きな水雪が降り続いた。朝から遮光カーテンを閉め切って部屋の中で映画を観ていたので、カーテンを開けたときに外の銀世界に驚いた。いい加減暖かくなってほしいなあと思っていた矢先だったのでうんざりもしたが、これがこの冬の見納めの雪かもしれぬ、ああ今年もまた春がくるのだな、とすこし感傷的にもなる。
TVでは九州自動車道の通行止めが速報のテロップで流れていたが、そろそろ出かける時間だったので、まあこの雪だったら積もることはないだろうと思い車に乗った。鈍色に曇る空の下、鉄都の道を走る。渋滞のなかの信号待ち、国道3号線に並ぶ産業トラックの煤煙がもうもうと白い蒸気に変わる。知らない街、たとえばロシアの工業都市の風景なんてのはこんな風景なのかもな、なんてもの想いにしばしふけっていると、カーオーディオに繋いだiPodからシャッフルで流れてきた曲が、コルトレーンの「ロシアン・ララバイ」だったのだ、なんてカッコつけたうまい話のようだがホントの話。
Posted by ryuichy