2006年03月28日
●祝う
先日の日曜日、結婚式にお招きいただいた。
庭園の眺めが美しい財閥の旧邸で、国の重要文化財にもなっている場所である。ドラマや映画の撮影にも使われそうな、大きな古い洋館と広く美しい庭園。
ゴージャスな会場とは対に、近しいものだけでの慎ましやかな式と披露宴であったが、新郎と新婦の手作りの温かい気くばりが随所に感じられた、こころに残る実に素敵な結婚式だった。
わたしもスピーチを頼まれていたのだが、わたしがこれまで参列した結婚式のなかで「面白いスピーチ」というものにめぐりあったことがないので、ありきたりの堅苦しい形式張ったスピーチなぞをやったところで新郎新婦も喜ばんだろうと思い、もうここはひとつ酒を引っかけてその場の勢いにまかせていきまっしょい、ということで何も考えずにとりあえずガブガブ酒を飲んでいたら、いきなり何の前置きもなく一番打者で打順がまわってきたのでさすがにそれは想定外で多少焦ったが、まあしかしそこはさすがのりゅういちくん、会場に感動と爆笑の渦を巻き起こす素晴らしいスピーチを残し無事に役を終えたのであった。
結婚式に出席するとわたしはいつも酒ばかり飲んで肝心の料理に手をつけずに、酔っぱらってしまって知らぬ間に料理を片付けられてしまう、という事ばかりなので、よし今日は全部たいらげよう、ここはなんだか由緒正しい雰囲気だし、と意気込んでいたのだが、お上品なフルコースのお料理をナイフとフォークで食べるのもどうも自分的には具合がよろしくないので割り箸でムシャムシャ喰っていたら、どの皿も1、2分であっという間に食べ終わってしまう。
これじゃあなんだかありがたみに欠けるな、もう少しお上品に、小鳥がついばむように食べよう、と思っていたら、焼豚にイチゴジャム?がかかってる料理が出てきたので「おい、これ焼豚にイチゴジャムがかかっとうぜ」と隣に座っていた妻に親切に教えてやったら「上等な鴨肉をフレンチの甘いソースであえてんのよ!」とキッと睨まれた。ああそうですかすいません。
そのうち自分が飲んでいるのが白ワインなのか冷酒なのかよくわからなくなってきたころ、披露宴もクライマックスで、新婦が家族への手紙を涙まじりに読み上げる。わたしもおもわず涙腺がゆるんだ。新郎が親族への感謝の言葉をのべ、愛にあふれた素晴らしい披露宴はその幕を閉じた。ああ感動した。
さてそれから二次会にいき、三次会にいき、四次会にいき、五次会はあったっけ?
気がついたら朝の7時頃、複数枚用意しておいた諭吉どのはポッケのなかで数百円の小銭に変身してくださってまして、わたしは自宅で便器を枕に愛の夢をみておりました。
素晴らしい愛の門出の日に立ち会えた事を感謝。
末長く幸せに!万歳!!